2020年05月16日

明治を学ぶ

明治を学ぶ

私の家系の近世文書(手紙や通達など)が昭和初期に活字でまとめられていたので、東京の古書店から取り寄せた。

まぁ私の家系の話は別の機会として、最近また歴史を学ぶ欲が湧いてきている。明治の日本を一から学びたいなと思うようになった。

この明治時代が現代の日本の基盤を作り、その知識と教訓を得ることも自分が何者であるかに通じるはずなのにこの歳まで素通りしてきたなと反省。私の個人ノートとしてここで記録していこうと思います。はじまり。


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明治時代って言うとなんか大昔の様に感じますが、明治元年は西暦1868年なのでたったの153年前なんですよね。

まず大政奉還から。
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慶応3年(1867)10月14日
徳川慶喜が政権を天皇に返上すると朝廷へ申し入れた。
この絵がよく大政奉還のときに教科書に出ていたのでみなさんもご覧になったことがあるはず。上座に座っているのは明治天皇なのかな?って思っていました。これは違うそうです。

上座に座っているのは徳川慶喜で場所は江戸城ではなく京都の二条城で、
日付は大政奉還の前日10月13日。慶喜が大政奉還の意思を諸藩重臣に伝えている場面だそう。

翌14日に京都御所にいる天皇に大政奉還を伝えた。
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大政奉還建白書写し(慶喜が調停へ出した書)

現代語訳(部分省略)

200余年子孫が将軍職を受け継いでいますが、今日の時勢になりましたのも結局は私の不徳のいたす所で
恥じ恐れ入る次第です。

そこで従来の古い慣習を改め政権を朝廷にお返しし、広く天下の議論を尽くしたうえで天皇のご決断を仰ぎ

心を一つに協力して共に皇国を守っていけば必ず海外諸国と肩を並べることができるでしょう。

10月14日     慶喜


慶喜が言う今日の時勢というのは、天皇に許しを得ず勝手に諸外国と日本不利な条約を結び、薩長をはじめとする討幕の混乱のこと。

この書では慶喜がへりくだって全てを天皇に譲りますと言っているように思えますが、現代の歴史研究によると、このときも朝廷には政治を司る組織も官僚もいないので実際は政治は自分のところへ戻ってくると考えていたとのこと。大政奉還は徳川家生き残りの戦術で、討幕派の目をそらす口だけの思惑だった。


ちょっとここで天皇について疑問に思う方の為に念を押して書いておこう。現在の日本国憲法に天皇は象徴と書いてあるから戦後象徴になったと思っている人がいると思いますが、少なくとも近代日本は戦前ももちろん一貫して天皇は象徴として存在しております。ここ重要。


討幕派は幕府が無くなったものだから、戦う名目が無くなりました。ですが、このままではやがて徳川体制の復活してしまうと危機感を持っていたのが牛深へよく来ていた薩摩藩大久保利通、西郷隆盛でした。


彼らは10月13日慶喜が重臣に大政奉還の意思を伝えた日すぐ動きます。
公家だった(元朝廷)岩倉具視に接触し討幕の密勅(討幕派に朝廷から出された秘密の命令)を取り付ける。
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とても簡単に訳すと、慶喜は善良な人を殺し、朝廷の言う事を聞かず悪い奴だから滅ぼし、人民を安心させよ。天皇より。

また重要なので書くと、天皇がそんな事言うの?って思いますよね。このとき天皇は14歳しかも前天皇(孝明天皇)が崩御されて数か月後でなにも経験無いのにこんな国の大事なこと言えるかな?天皇が言ったか言っていないかはわからないが、この書が存在したことは事実ですので討幕派の勢いを強めるには十分だったと想像します。

11月23日薩摩藩3000挙兵して京都へ。
ときを同じく慶喜は新体制を学者西周(にしあまね)に指示し「別紙 議題草案」を作らせます。
主な内容
天皇は象徴
大君制(大統領制のような)
2院制議会
三権分立
首都は大阪

これを通せば徳川は生き残れると考えたのでしょう。

12月8日 岩倉具視が朝廷へ復職。
12月9日 討幕派が京都御所の門を封鎖占拠。(慶喜が入ってこれないように)
そして天皇の前で新政府樹立を宣言。

これが『王政復古の大号令』
内容
慶喜の将軍職辞職を勅許(ちょっきょ・天皇の許し)
摂政関白の廃止
江戸幕府の廃止
天皇と共に新政府が政治を行う

ここが明治維新の始まりだった。つづく。


この江戸幕府が作った御番所関係史跡が牛深にはあるんだもんな。
ほんと凄いなぁ(-。-)y-゜゜゜
ぴょんぴょんウォーキングで説明も受けながら歴史探索できるよ!
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Posted by hirok○ at 05:57│Comments(2)明治~
この記事へのコメント
これは素晴らしい!建白書の中身は初めて知りました!!
次回も期待大です!!
Posted by 原田鈑金塗装原田鈑金塗装 at 2020年05月19日 09:09
》原鈑さん
ありがとうございます。超有名なものでも詳しく知らない事多いですよね。
Posted by hirok○hirok○ at 2020年05月20日 21:42
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